作品「髑髏と残像」は、私自身の内側に渦巻くイメージをそのまま絵に流し込んだような、きわめて主観的な世界観を持つ作品です。ひとつの髑髏が、まるで自らの影から新たな髑髏を生み出していくような、増殖とも分裂ともつかない奇妙な連続性。その“生まれる瞬間”を描きたいという衝動が、筆を進めるたびに強くなっていきました。輪郭がほどけ、形が揺らぎ、次の髑髏が残像の中から立ち上がる。その過程そのものが、私にとってはひとつの生命活動のように感じられたのです。
描きながらずっと意識していたのは、サイケデリックな世界観の濃度です。色彩や形態を奇抜にするというより、視覚の奥でじわじわと広がる“感覚のゆらぎ”を表現したかった。髑髏というモチーフは本来静的で、象徴的で、動きとは縁遠い存在です。しかしこの作品では、髑髏が髑髏を生むという矛盾したイメージを通して、モチーフそのものに動性を与えようとしました。残像が尾を引き、次の形が滲み出し、視線がどこに定着していいのか分からなくなる。その不安定さこそが、私が求めたサイケデリックの核心でした。
完成した作品を見返すと、髑髏が増殖しているのか、あるいは消えていく過程なのか、自分でも判然としません。ただ確かなのは、髑髏という象徴が持つ“終わり”のイメージを反転させ、むしろ“始まり”の気配を宿らせたかったということです。残像の連なりは、過去の影でも未来の予兆でもあり得る。そんな曖昧で、揺れ続ける世界を、私はこの作品に託しました。
作品No.36「髑髏の残像」

※この作品は私自身の発想と構図をもとに制作し、仕上げ工程の一部にAI加工を取り入れています。
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世界観をより深く楽しんでいただけましたら嬉しいです。
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